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あざみ野こどもぎゃらりー2011 関連ワークショップ 『あしあと+わたし』

あしあと+わたし
2011年 8月18日

横浜市民ギャラリーあざみ野 (神奈川)

地球とつながる視点

地球とつながる

会場全体を流れるように描かれた青い線。
この青い線が、地球とつながる視点を得るためのヒントになる

あざみ野こどもぎゃらりー2011の展示『たいよう+あしあと』の会場全体を流れるように描かれた青い線を制作したワークショップ『あしあと+わたし』。

会場の床には白い紙がドーナッツ状に敷かれ、その白い紙の所々にダンボールでできた障害物が置かれたこの会場で、子供たちは5チームに分かれ、絵具を牽引しながら三輪車に乗ってレースをした。

そのレースで子供たちが競って一生懸命三輪車をこいだ軌跡が、青い線になって描かれているのだ。

『たいよう+ぼく』で制作された青いタペストリーと相まって、青と白のさわやかなコントラストが美しい展示のメインになったこの青い線。

この青い線が、地球とつながる視点を得るためのヒントだと、木村は言う。

コースに置く障害物を制作

コースに置く障害物を制作。ペットボトル上部には、形も色もとりどりの風船が付く。これをコース終盤に置いてコース完成!

会場に用意された三輪車が5台。

小学生になった子供たちにはかなり小さく見える三輪車だが、小さい頃の反射行動なのか三輪車を見るとつい乗りたがる。

乗りたくなる気持ちを抑えて、まずは愛着を持って乗ってもらえるように、チームに分かれて三輪車を飾り付ける。

出来上がった三輪車は色とりどりで個性満点。

そして、もう一つ制作したのは、コース終盤に置かれる小さな障害物。
ペットボトルなどを利用して、一人ずつ障害物を制作した。

これをコースに置いたら、いよいよコースが完成した。

早速、カスタマイズされた三輪車にのって、コース確認!・・・ところが、小さい頃にはスイスイこげた三輪車が、なぜか上手にこげない・・・

体が大きくなって足が長くなった分、小さな三輪車のペダルをこぐのにコツがいるのだ。木村が実際に三輪車に乗って、漕ぎ出しのコツを説明する。

漕ぎ出しを何度も練習をして、やっと皆もコツを覚えてコースを全員が回った。

 

よーいドン「よーいドン!!」
の掛け声と共に、子供たちが一斉にコースへ飛び出す。

真っ白だったコースには、一人一人走るたびに青い線が描かれていく。
障害物をよけたり、前の子供を追い抜かそうとハンドルを切った軌跡がいくつも描かれ、やがてコースには川が現われ始め、コースが終了する頃には大河になった。

レース終了後、子供たちと一緒にコースに描かれた青い線についてディスカッションする。

「何に見えるかな?」

「あ、川だぁ~~!!」

小さな川の流れから大河へ

絵具を牽引しながら自転車をこぐと青い線が真っ白な線に描かれる。障害物をよけながら、前の子供を追い抜かそうと白熱したレースが展開された。子供たちが無意識に取った行為の軌跡は、小さな川の流れから大河へと成長した。

自分たちが引きずって描いた線が、いつの間にか川のようになっていることに気づいた子供たち。

川も初めは支流の小さな流れから始まる。
やがて水の流れは岩や崖をよけながら、徐々に集まりながら大河に成長して海へと流れ込む。

実は、この川流の形は、人の毛細血管や木の枝の形、稲妻の形とよく似ている。自然界に存在する形は、時に同じパターンの繰り返しによって形成されているのだ。

私達が無意識に行っている行動や習慣のパターンは、よく観察してみると、自然界にも見られることがよくある。

木村は、こうした私達人と、自然界の仲に共通して見ることができるパターンを見つけることで、自分たちが 『現象として地球に存在している』 ことへの気づきを促そうとしているのだ。

『地球と遊ぶ』というコンセプトに加えて、『人』というテーマを盛り込んだワークショップシリーズ。

私達が特別な存在ではなく、地球の循環を担う一現象であるという、地球規模から見た人の存在を意識する視点を得るヒントを提案しようとした新しい試みである。

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